【3日目】イベント日!シャンパンラッシュ突入!陽キャのノリに必死に併せる陰キャラは辛い…

【3日目】イベント日!シャンパンラッシュ突入!陽キャのノリに必死に併せる陰キャラは辛い…

前回の記事はこちら。

ホスト三日目。

先日クタクタになって朝方に帰ってきた僕は、仕事が不安でうかうかと寝ることもできずお昼頃に目が覚めてしまいました。

いつもなら8時間は寝る僕ですが、この時は6時間ほどしか眠れませんでした。

二度寝したかったのは山々なのですが、メンタル的に寝付くことができず、結局出勤まで時間が余っていたのでホストの勉強をすることにしました。

Youtubeと体験記事等でホストの勉強をしていると、あっという間に時間が過ぎていきます。

気がつけば出勤二時間前。普通の仕事だったら二時間前でも余裕を持って過ごせるのですが、なんせホストは身だしなみを整えるのに時間がかかります。特に、今日はイベント日と聞いていたのでなおさら気合を入れなければなりません。

身だしなみを整え、かくもキモオタは歌舞伎町に足を運ぶのでした…

出勤

この日は遅刻することなく、そこそこ余裕を持ってホストクラブに着きました。

着いたらまず、前日のうちに教えていただいていたセッティングと掃除をこなします。やる気だけはあるのでここら辺はしっかりこなせました。

掃除が終わり、話せる人もろくにいないので適当に突っ立ってあたりを見回します。

すると、クラブ内の隅っこにシャンパンタワーが積み重ねっていることに気づきます。おそらく、これをイベントで使うのでしょう。

時間が経つと、次第に先輩方が集まってきます。

しかし、中にはホストらしからぬ、20代前半の何か挙動不審な人物が…

なんとなく雰囲気が優しかったので「この人ならいけるかも?」と思い、声をかけてみることにしました。

 

すみません!二日前からホストやらせていただいているレイジと申します〜。

 

あ!どうもです!2週間ほど前からバイトやってるバイト君です!

 

どうも、バイトとしてこのホストクラブで働いている方だったようです。

話を聞いてみると、本職は美容師でお小遣いがてらホストのバイトをしているのだとか。動きは確かにホストらしからぬ、言ってしまえばおどおどとしていましたが、とても優しい方でした。

バイト君と話して時間を潰していると、先輩が声を上げます。

 

みんな!今日は俺の誕生日イベントです!めっちゃ指名とシャンパン入ると思うんで、よろしく!

 

イベントというのがなんなのか分からなかったのですが、どうやら先輩の誕生日イベントだったようです。しかもこの方はNo.3ということで、かなりの稼ぎどきらしいので、なおさら足は引っ張れないなと意気付けられました。

開店

開店時間になると、イベント日のせいかどっとお客様が押し寄せてきます。

とはいえ、たかだか三日目の僕は特段できることもなく

イベント日で失敗されたら堪らないから、隅で見学してて。

 

と先輩に言われていたので、バイト君とお喋りを交えつつできるところだけアシストをして時間を潰していました。

客対応

先輩に「見学してていい」とは言われたものの、やはりお客さまの人数が多いせいか、僕がヘルプとしてつくことになってしまいました。

僕がヘルプとしてつくことになったお客様はキャバクラで働いていらっしゃる20代前半ほどのお客様でした。

席についていいかどうかの確認をとったら、早速定型分をかまします。

レイジです!ホストやって三日目の新人です!

そうなんだ!ちょっとぎこちないもんね〜笑リラックスしていいよ〜笑

 

そうなんですよ〜めっちゃ緊張しちゃって笑ありがとうございます笑

そうだぞレイジ!もっとリラックスしろよ!笑

 

どうやらオタクに優しいギャルタイプの方のようで安心しました。先輩も良い感じに気を回してくれているようでしたし、この席でならやっていけそうだなと感じました。

また、ありがたいことに、この日の接客対応はほとんどがこちらのお客さまで、なんでホストになったのか、キャバクラに興味はあるのか、など様々なことを訊いてくれました。あとお菓子もくれました。

おそらくですが、キャバクラはホストと同じ水商売の世界なので、陰キャラキモータの扱いなど心得ているのでしょう。いや〜感謝ですね。

シャンパンラッシュ

接客をしていると、どこからともなく

シャンパン入りました〜〜!!!

と聞こえてきます。

シャンパンが入ったら、そのシャンパンが入ったお客さまの元にホスト総出で向かわなくてはなりません。

ただ、僕はアホなので、一緒に席についていた先輩が席を離れたのにもかかわらず「(シャンパン入ったな〜)」くらいの気持ちでお客様の前で呆然としていました。

すると

 

ほら新人君!シャンパン入ったら行かなきゃ!

 

とお客さまに言われ、駆け足でシャンパンコールの波に突っ込んで行きました。わざわざ教えてくれるとは…優しいお客さまだと陰キャラでも安心してホスト業ができます。

シャンパンコールは二回目でしたが、やはりあの「これぞホスト」と言う感覚がたまらなくてコール最中ニヤニヤしていました。キモオタがにやけてるとお客さまが不快になりそうなものですが、シャンパンを頼んだお客様は担当に夢中でこちらなんて視界にすら入らないので問題ありません。

さて、シャンパンコールが終わり席に戻ろうとすると、また別の席から

シャンパンいただきました〜!!!

との声が聞こえてきます。

今日はイベント日だからか〜と思いつつコールをしていると、またまた続け様に別の席から「シャンパン入りました〜!」との声が聞こえてきます。

マジかよ!と思ったのですが、僕の予想通り、ここから閉店までずっとシャンパンラッシュでした。留まることを知らないシャンパンラッシュに、何回やったか分からないくらいコールをさせられました。

シャンパンコールに憧れがあった僕とはいえ、流石にここまでコールをやらされては…ぶっちゃけ5回目以降からはめんどくせ〜ってなってましたね、すみません^^;

ただ、陰キャラキモータなりに笑顔は忘れずにコールをしていたのは偉いと思います。近くにいたバイト君は半分死んだような顔をしていました。。。まぁバイトだからね。。。

シャンパンタワー

シャンパンコールと接客を交互に続けつつ、閉店もギリギリとなった頃、店内でいきなり爆音が流れ出します

そこからマイクを通じた先輩の

 

ありがとうございまああああああす!!!!

 

の一声。どうやら、シャンパンタワーを注文したお客様が現れたようです。

ここから、No.3の先輩の美声が披露されます。ホストの世界ではその日一番売上が高かった人が歌うわけなのですが、この先輩の歌はガチで上手かったです。やはり、No.3というプロのホストともなれば歌まで完璧なのでしょうか。

歌が終わると、お客様がタワーにシャンパンを流し込んで行きます。僕はコールをしながらそれをまじまじと眺めていましたが、これがなかなかの絶景です。

シャンパンを注ぎ終わると、ホスト各員にグラスが配られます。どうやら、シャンパンタワーはみんなで飲むっぽいです。

配り終えたところで、先輩がお客様と向かい合いこんなセリフを。(記憶違いだったらすいません)

 

今日は本当にありがとう。めっちゃ嬉しいよ。もう30だけどさ、お前がいるからホストやっていけるなって思う。あ〜本当最高……大好き…だよ…
…はい!まぁ、こんな辛気臭いのは俺には合わないわな笑
さ〜て、ラスト盛り上がっていくぞ〜!!!

 

正直、僕は「(え?こんなセリフでいいの…?)」と思ったのですが、お客様は完全に堕ちていました。いやはや、流石の一言ですね。

さて、先輩はさておき、僕は渡されたシャンパンを飲み干さないといけないわけですが…普通に不味くて飲めなかったです。ただ、近くにいた優しい先輩が見かねて「飲めなかったら無理しなくていいよ」と言ってくれたので、後でこっそり捨てました。許して・。・;

ちなみに、シャンパンをこっそり捨てにいく時に他のお客様をチラッと見たのですが、シャンパンタワーを入れたお客さまにホストを取られたせいか、ずっと俯きながらスマホぽちぽちしてて、ちょっとやるせない気持ちになりました。まぁ、ホストは金と愛が直結する世界ですからね…

兎にも角にも、ミスすることなく、こうして無事に閉店まで生き延びることができました。

閉店

閉店したらさっさと掃除をします。

掃除をしている最中、シャンパンタワーで入れたものとは別の余っていたシャンパンがあったのですが、近くにいた先輩に「飲んでみてもいいよ」と言われたので飲んでみました。不味かったです。

しかし、顔に出ていたのでしょうか。口に付けた瞬間先輩に「それ百万するからね?ガチで笑」と言われたので、動揺しつつも「あ〜!美味いっすね〜!!」と答えました。こんな不味いものに百万円を出すとは…夜の世界の価値観はよくわかりませんね…

シャンパンが入りまくって掃除量が増えていたとはいえ、今回はバイト君がいたのでかなり早めに掃除が終わりました。

掃除が終わって少しすると、No.3の先輩から集合の合図がかかります。どうやら、イベント日はその日の振り返りをするらしいです。

 

はい…みんなイベントお疲れ…いや、マジで酔ってるわ…
…愚痴言っていい?あいつらさぁ、イベントなんだからもっと金貢げよ…はぁ…クソ…何の為に俺が…ブツブツ…
ああごめん、俺マジで酔ってるからさ…みんな今日はありがとう。解散…!

 

正直、かなり驚きました。楽しそうに接客していたNo.3のホスト先輩の内心がこれだったとは…

確かに、ホストという職業は疲れるだろうなぁとは思っていましたが、ああしてシャンパンを入れまくってもらったにも関わらず、こうして振り返りで愚痴を散々漏らすところを見ると、かなりストレスが溜まっているようです。ただ、ストレスが溜まっているとはいえ、お客さまの愚痴を余裕で吐いちゃうのは仕事としてどうなんだろう…と思ってしまいました。

これに対して、他のホスト先輩達は「そうですね!イラついても仕方ないです!」「もっと金落としてもらわないと!」と言っており、やはり、なんやかんやホストは金を貢いでくれないお客さまに対しては厳しいのかな…とも思ったりしました。

空気がピリピリしているので、ここからは先輩の動きを観察しつつ帰る準備をします。

しかし、先輩だけではなく、僕自身もこの日はかなりメンタル的に疲れていました。

そのため、思考が落ち着いたところで帰ろうかな〜なんて考えてながらソファでダラーっとしていました。…が、なんとなんと、そこにNo.1の先輩が声をかけにきてくれました。

とてもありがたいことに直々にアドバイスをいただいたのですが、このNo.1の先輩が言っていたことは正直言ってあまり覚えていません。

なぜかというと、あまりにもコミュ力が高すぎて半分惚れてしまっていたからです。

お前は何を言ってるんだ…と読者の方は思うことでしょう。

しかし、同じ男性である僕がちょっと話しただけで惚れこんでしまうくらいには、No.1の方のコミュ力というものは素晴らしかったのです。言ってしまえば、心の中にそのまま優しく触れてくるような…そんな感覚を覚えました。

正直、No.1の方は見た目がそれほど良いわけではありません。年齢も30代です。それなのにどうして…とホストになった当初から思っていたのですが、このコミュ力こそがNo.1たる所以なんでしょうね。

帰宅

帰宅途中に自転車窃盗疑惑をかけられたりしつつ、いつも以上にクタクタになりながらもなんとか帰宅しました。

何もする気が起きなくなり、倒れ込むようにベッドにダイブします。

そして、僕は強く思いました。

やっぱ働くの辛い…

と。

しかし、贅沢は言ってられません。ホストになってから、まだたったの三日しか経過してないのですから。

ただ、そうは思おうとしてもベッドから起き上がることも億劫です。

明日もこのメンタルのままだとしたら、仕事なんてできる気がしませんでした。

しかし、そんな時にTwitterのDMでブログ読者(Youtubeリスナー)さんから声がかかります。


 


嬉しいことに、僕の話を聞いてくださると言うのです。

心身ともに疲れ切っていた僕は、身を委ねるようにリスナーさんに話を始めました。

人間、こうして疲れている時に話を聞いてもらえると、めっちゃ嬉しいんですよね。

そして、こうなりました。

はい、三日でホストやめました^^;

言い訳させてください。リスナーさんに「やめても良いんじゃない?」と言われたんです。なので甘えてしまいました。

…と言うのは嘘で、僕は誰かに「やめても良いんだよ」と言ってもらいたかったんですよね。

あのまま無理に続けていたら本当に心身がぶっ壊れていた可能性が高いため、このリスナーさんは僕にとっての恩人のようなものです。というか、この方が今の僕のパートナーです。

結局、翌日になって僕はホストクラブに退職する連絡を入れました。給料ですが、これに関しては受け取りませんでした。時給800円くらいなんでたかが知れてますし、何よりいきなりやめてご迷惑をかけたのに、受け取りに行くことなんてできなかったのです。

こうして、僕のホスト生活は幕を閉じました。

結論:ホストは陰キャラには無理!

はっきり言って、このブログを見にくるようなタイプの方にはホストはお勧めできません。

あそこは、自分に絶大なる自信がないと成功できない世界です。

もしもやる方がいましたら、自分の自己肯定感が高いかを今一度確かめてください。

ここで「俺は自己肯定感が高い」と即答できる方でないと、ホストは絶対に続きませんし、成功できないと思います。

ホストには、顔より何よりメンタルが大事です。顔なんて整形できますし、コミュ力も経験によってつけられます。

ただ、根底にある性格というのは変えられません。僕は、自分の根底にある自己肯定感の低さを覆すことができませんでした。

無理をしていても、いつかは絶対にボロが出ます。そして、ホストはとても厳しい世界です。

自分に自信があって、本当にホストをやりたい方だけあの世界に飛び込むことをお勧めします。

ただ、僕自身ホストをやって良い経験になったなと思うのは確かです。本気でやるのではなく、遊び感覚でやってみるのもありなんじゃないでしょうか。

とにかく、僕は二度と夜の世界には行きません。僕にはネットの世界が、良くも悪くもお似合いです。

今は無職ですが、またやりたい仕事が見つかったら挑戦してみたいです。

ここまで読んでいただきありがとうございました。