生活保護で車を持つっていけないこと?どうやったら持てるの?元田舎住み受給者が語ります

生活保護で車を持つっていけないこと?どうやったら持てるの?元田舎住み受給者が語ります

レイジです。

最近、生活保護受給者に車の所有を認めさせてはどうかという話がネット上で話題になりましたね。

きっかけになった記事はこちらの「生活保護受給者に車の所有認めて 制度見直し求める声」です。

僕からしたら「ついにきたかー」って感じだったのですが、ネットでは

 

生活保護が車なんて贅沢だ!ベンツに乗ってんの俺は知ってるぞ!また税金を無駄にするつもりか!生活保護は現物支給にしろ!

 

みたいな感じでかなり賛否両論が分かれていたようです。

実際、生活保護で車を持つことは贅沢なのでしょうか。そもそも法律的にセーフなのでしょうか。

今回はこの「生活保護での車問題」に対して、田舎出身で車を乗り回していた時期がある現生活保護受給者の僕が、色々と思うところを語っていきたいと思います。

法律で確認!生活保護で車を持って良い状態とは?

結構長く本格的な話になるので、興味ない方は飛ばしてください。

以下、厚生労働省のページ「生活保護法による保護の実施要領について」からです。


問9 次のいずれかに該当する場合であって、自動車による以外に通勤する方法が全くないか、又は通勤することがきわめて困難であり、かつ、その保有が社会的に適当と認められるときは、次官通知第3の5にいう「社会通念上処分させることを適当としないもの」として通勤用自動車の保有を認めてよいか。

1 障害者が自動車により通勤する場合

2 公共交通機関の利用が著しく困難な地域に居住する者等が自動車により通勤する場合

3 公共交通機関の利用が著しく困難な地域にある勤務先に自動車により通勤する場合

4 深夜勤務等の業務に従事している者が自動車により通勤する場合

答 お見込みのとおりである。

なお、2、3及び4については、次のいずれにも該当する場合に限るものとする。

(1) 世帯状況からみて、自動車による通勤がやむを得ないものであり、かつ、当該勤務が当該世帯の自立の助長に役立っていると認められること。

(2) 当該地域の自動車の普及率を勘案して、自動車を保有しない低所得世帯との均衡を失しないものであること。

(3) 自動車の処分価値が小さく、通勤に必要な範囲の自動車と認められるものであること。

(4) 当該勤務に伴う収入が自動車の維持費を大きく上回ること。

問9の2 通勤用自動車については、現に就労中の者にしか認められていないが、保護の開始申請時においては失業や傷病により就労を中断しているが、就労を再開する際には通勤に自動車を利用することが見込まれる場合であっても、保有している自動車は処分させなくてはならないのか。

答 概ね6か月以内に就労により保護から脱却することが確実に見込まれる者であって、保有する自動車の処分価値が小さいと判断されるものについては、次官通知第3の2「現在活用されてはいないが、近い将来において活用されることがほぼ確実であって、かつ、処分するよりも保有している方が生活維持に実効があがると認められるもの」に該当するものとして、処分指導を行わないものとして差し支えない。ただし、維持費の捻出が困難な場合についてはこの限りではない。

なお、処分指導はあくまで保留されているものであり、当該求職活動期間中に車の使用を認める趣旨ではないので、予め文書により「自動車の使用は認められない」旨を通知するなど、対象者には十分な説明・指導を行うこと。ただし、公共交通機関の利用が著しく困難な地域に居住している者については、求職活動に必要な場合に限り、当該自動車の使用を認めて差し支えない。

また、期限到来後自立に至らなかった場合については、通勤用の自動車の保有要件を満たす者が通勤用に使用している場合を除き、速やかに処分指導を行うこと。


大雑把に、車の保有を認めて良いのは以下の場合です。

1.通勤に利用する

2.通院に利用する

3.仕事に利用する

4.半年以内に生活保護から脱却できる見込みがある

簡単に言ってしまえば、どうしても通勤や仕事で利用する必要があったり、持病で病院に行くのが大変だったり、半年以内に生活保護を脱出する可能性があるなら持ってても良いわけです。

ただ、車自体の価値がそこそこあったり、車の維持費が大変で生活がままならないようであればアウトというわけです。

一応、基本的にはこのルールに基づいて生活保護で車を持って良いのかどうかは判断されますが、「車がないとマジで買い物すらできない」みたいな感じだとケースワーカーと要相談になるらしいです。

 

つまり、法律からしたら「生活保護は絶対絶対ぜーったい車を持ってはいけない!」なんてことはないわけです!僕が調べた限りでは、車の所有に関してはぶっちゃけ自治体による運ゲーが大きいかと思います!
他にも細かいルールやコロナ状況で追加されたルールがあったりしますが、そこまで解説するのはめんどくさいので自分で調べてください!(投げやり)

 

保護開始時において、就労が途絶えてしまっているが、緊急事態措置期間経過後に収入が増加すると考えられる場合で、通勤用自動車を保有しているときは、「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」(昭和38 年4月1日社保第34号厚生省社会局長保護課長通知)第3の問9-2に準じて保有を認めるよう取扱うこと。なお、「公共交通機関の利用が著しく困難な地域に居住している者については、求職活動に必要 な場合に限り、当該自動車の使用を認めて差し支えない」としているところ、「求職活動に必要な場合」には、例えば、ひとり親であること等の理由から求職活動を行うに当たって保育所等に子どもを預ける必要があり、送迎を行う場合も含めて解して差し支えない。

臨時又は不特定就労収入、自営収入等の減少により要保護状態となった場合であっても、2(1)の趣旨も踏まえ、緊急事態措置期間経過後に収入が増加すると考えられる場合には、増収に向けた転職指導等は行わなくて差し支えないこと。また、自営に必要な店舗、機械器具等の資産の取扱いについては、上記の通勤用自動車の取扱いと同様に考えていただいて差し支えない。

新型コロナウイルス感染防止等のための生活保護業務等における対応について

地方では車が必須!

僕は半年前に東京に来るまで、宮城県のド田舎で過ごしていました。

どれくらいド田舎かというと、家から一歩出れば周りは田んぼだらけ、スーパーや病院は車必須、高校や大学はマジでない、遊び場がイオンくらいしかない(しかも人によってはそのイオンまで6kmとかザラ)って感じです。

都会に住んでいる方からしたらわからないと思いますが、田舎はほんっとうーーーーに車がないと何もできません。

実際、僕の身の回りでは学生時代に車の免許を取る人は9割ほどはいたと思います。そうでもしないと田舎では生きられないからです。

僕は会社員時代とフリーター時代車を乗り回していましたが、初めて田舎で車を手にした時の高揚感と言ったら半端なかったです。なんせ今まで友達と遊びに1時間かけて行ってた場所が数十分で着くわけですからね。

田舎では三キロ離れているスーパーが一番近いとか当たり前です。生活する上で利用必須なスーパーが三キロです。

そんな人たちに対して自転車で買い物しろってのはなかなか残酷なのではないでしょうか。特に生活保護受給者は心身が疲弊していることも多いです。

逆に、東京のような都会がヤバすぎるんですよ。

ちょっと家から出ればスーパー病院役所ゲーセンジム公園なんでもござれです。場合によっては自転車すらいりません。頭おかしいです。

僕は田舎から都会に移り住んで、もう二度と田舎には戻れないなと思ってしまいました。

生活保護でも車に乗っていいと思う!

これが僕の答えです。

今の生活保護法はちょっと意味がわからないところがあります。なぜ、生活保護は車に乗ってはいけないのでしょうか。

百歩譲って車の維持費を税金で賄うのがキツいから自分で持つのはダメという理由ならわからなくもないですが、親族の車や他人の車を運転するのすらアウトなのは意味がわかりません。

確かに「生活保護は贅沢してはいけない」という人たちの気持ちもわかります。

しかし、そうは言っても田舎で生活保護の人は車が使えないことによって大変な思いをしていますし、そもそも生活保護は車が持てないからという理由で生活保護を躊躇してしまう人もたくさんいます。

生活保護を使えば自分の人生を良い方向に持っていくのが可能なのに、国の意味がわからないルールのせいでずっと辛い環境で耐え続ける。

果たしてこれを「法律だから。贅沢だから。ルールだから。」の一言で済ませて良いのでしょうか。

そもそも、地方で生活必需品と化している車は贅沢品ではなく必需品なのではないでしょうか。

例えるなら、スマホは高いですが、決して贅沢品ではなく生活に必要不可欠な必需品です。車も地方の人にとってはスマホのようなものなのではないでしょうか。

あと、これは言っていいと思うので言っちゃいますが、生活保護で車に乗っている人はそこそこいます。

隠れて乗っている人もいれば、堂々と乗っている人もいます。

法律上は生活保護で勝手に車を乗るなんてことは許されてはならないことです。

ただ、僕はぶっちゃけ乗っても良いと思っています。

 

ファッ!?法律破って当然だと思ってんの!?犯罪者予備軍ヤバすぎだろ!!!

 

と思われるかもしれませんが、そう単純な話ではありません。

生活保護には心身が疲弊しきっている方が多いです。

もしそのような方がド田舎に住んでいたとして、貴方は「受給者なんだから病院やスーパーには自転車で行くべきだよね」と言えるのでしょうか。その方が隠れて車に乗って遠方のスーパーに行くのを見て通報するのでしょうか。

僕はそのような人間は法律に縛られて自分の考える軸をろくに持っていないロボットのようなものだと思っています。国が決めたことだから、税金の無駄だから、贅沢だから、馬鹿馬鹿しいにも程があります。

そんなことを言っている人には「貴方は生まれてから一度も多少なりともルールを破ったことはないんですか?」と問いたいですね。そもそも生活保護を受けられずに命を落とす人だっているのに、ルールだから仕方ないで片付けるのはあまりにも残酷すぎます。

僕は、人間はもしもの場合はルールを破って良いと思っています。ルールなんて上の人間が自分達が生きやすくするために作ったルールに過ぎません。

極端な話になりますが、仮に僕を殺そうとしたり、僕の親しい人を殺そうとしている人間がいたとするのならば、僕はそれが決して許されない犯罪であってもその人を殺すと思います。

具体的にルールはどうするべき?

「生活保護は車に乗っても良い」なんて一概に言っても、僕みたいな健常者の都会住みが車のお金を役所から出してもらうのはなんか違う気がします。

そのため、仕事にしろ生活にしろ、車を利用しなければ生活が著しく困難な場合は普通にOKして良いと思います。

特に地方は政令指定都市以外全員OKにしちゃって良いんじゃないでしょうか。

これに関しては僕が決めることではなく国が決めることですので、今後どうなるか期待です。

↓一応、生活保護で車を持つことを訴えてる人はちらほらいます。自動車保有申立書なるものも用意しているらしいので興味がある方は是非。

自動車を持ちながら生活保護を利用するために!

生活保護に文句を言ってるのはワープアかバカ

生活保護は車に乗るなだの現物支給にしろだの言ってる人は、大体がワープア、もしくは頭の悪い人です。

少なくとも、生活保護受給者が車に乗れるようになることによって救われる人がいるのは事実です。

まともな人間であれば「生活保護は車に乗るな、贅沢だ」なんて人の命を投げ捨てるような発言はしないはずです。

しかし、そんなことを言ってしまう人もほとんどが恵まれなかった人達なので仕方ないと思います。悪いのはそんなダメ人間を大量に作り出してしまった日本です。

生活保護を批判している人はヤフコメ民が多いわけですが、ヤフコメ民なんて人や政治批判をすることによって自分が社会に属している気になってるただの勘違い野郎です。

ネガティブな言葉ばっかり喋っていても、本人が行動しなければ現状は変わりません。

自分は行動しないのに他人には文句を言うのがヤフコメ民の愚かなところです。あとTwitterの政治おじさん

まとめ

いやはや、生活保護に関しては本当面倒ごとが多いですね。

ある程度の視野を持ってすれば、生活保護のこの自動車規制は異常であることがわかると思うんですが…

↑こんな感じで、生活保護が調子に乗ってる〜みたいなのはマジで色眼鏡です。生活保護には事情があって働けない人もたくさんいます。あと、無駄遣いも政治家の方がしてます…

底辺は底辺を叩く、僕も学生時代一時期似たようなことをやっていたのでわかりますが、良い年した大人たちがこんなことをやっているのを見るとどうも気が滅入りますね。

まぁ、こういう方たちもこれからさらなる不景気によって極限までじわじわと追い込まれ、徐々に世の中の仕組みに気づいていくことでしょう。

と、なんかネガティブっぽくなってしまいましたが、これから生活保護の自動車に関する問題は徐々に改善されていくと思います。僕自身、地方の人が生活保護を気兼ねなく受けられるような社会になることを願っています。

ここまで読んでいただきありがとうございました。次回は生活保護のホスト散財問題について書こうと思います。お楽しみに。